ATB MODELS バスモデルコラム


 御礼:サイト開設5周年を迎えて

 

はじめに

 毎度多くの皆様にご覧いただき、自分でも驚いてしまうのですが、このATB MODELSもサイト開設から何と「5年」を迎えました。これもひとえにご覧いただき、応援いただいている皆様のお陰です。まずは深く御礼申し上げます。

 ここ1年程度、いや、それ以上でしょうか、更新頻度が非常に低くなり、まさに最低限の情報を掲載している程度になってしまっているのは本当に申し訳ないな、と思いつつ、まさに細々と、マイペースでサイトを維持して参りました。掲示板などへのレスも滞ってしまっております。

 しかし、5年という節目を迎えるにあたり、この次の5年を迎えることが出来るように、という思いを込めつつ、久々にコラム的なテキストを記してみた次第です。

 

■この5年間〜
 短いようで長い
5年に起きた4つの変化

 5年という月日、過ぎてしまえばあっという間に感じますが、実は結構な期間かもしれません。この5年の間に、さまざまな変化がありました。ご覧いただいている皆様も同じであると思いますが、今、この5年間を振り返ってみたとき、大きく括って4つの変化があったのではないか、と考えています。

■一応働き盛り・・・趣味の時間の減少

 まず最大の変化は、私自身の生活、そして仕事の変化でしょうか。サイトを立ち上げたときには、比較的ゆとりのあった生活だったのが、職場の異動、さらに体調不良、いろいろとあり、現在はサイト立ち上げ時と比べると、はるかに仕事が忙しい状況になりました。特に年度の前半は、東京で仕事をしている日が少ないのではないかというほど外に出ていることが多く、したがって帰宅する機会も減り、模型をいじり、撮影して、サイトを更新するということが物理的に出来ない状況が続くようになっています。

 

 とはいえ趣味の時間を最大限確保しようと、出先では勤務前に撮影をわずかな時間ですが行ったり、最近では宿泊先にわずかな量の模型の工具と制作中の模型を持ち込み、ホテルで綿棒をもらってデカール貼り・・・などという暴挙!?に出て、夜の時間を使って本当にわずかでも工作を楽しんだりするようになりました。こうでもしないと模型製作が難しい状況ともいえますし、逆にとんでもなく忙しい中でも、模型趣味は出来るんだ、ということもわかりました。(当然塗装などといった作業は不可能ですが・・・)

この変化が、サイト更新頻度を下げる大きな要因であることは間違いないのですが、そのほかの変化も微妙に関係していると思います。

■驚くべきバス車両の変動・・・車両自体は変化せず置き換え速度が加速度的に

 2つ目の大きな変化、それは実物のバス、特に車両の新陳代謝が非常に早くなった、ということです。都市を中心にした排ガス規制強化の影響、バリアフリー対応車両への要請、旅客逸走による車両の小型化・・・さまざまな要因で車両の代替がかつてないほど速いペースで進むようになった印象です。都市の車両代替は、地方への移籍という形で地方にも変化を生み、したがって全国的に変化の速度を速めています。

 さらに、これはいい変化といえるのかどうか、とりわけ趣味的に見た場合悩ましい側面もありますが、代替される新車のラインナップが、構造的なバス事業の不況、バスメーカーの不祥事などが重なって、OEM供給が本格的に始まり、非常に少なく絞られたこともあげられましょう。例えば10.5m以上の大型バスの現状を見回せば、いすゞエルガ+日野ブルーリボン2(ジェイバスボディ)、日産ディーゼルスペースランナー+三菱ふそうエアロスターS(西工ボディ)、日産ディーゼルスペースランナーA+三菱ふそうニューエアロスターワンステップ(三菱バス製造ボディ)日野ハイブリッドバス(ジェイバス、ブルーリボンシティーボディ)、三菱ふそうエアロスターエコハイブリッド(三菱バス製造ボディ)というラインナップ、つまり外見上は大きく分けて5種の車両しか生産されていない、うち2種はハイブリッド車ですから実質メインストリームは3種類という状況です。

 


 

 以前、バスの面白さであった、車体メーカーとシャーシの組み合わせを事業者がセレクトできた、という状況はほとんどといっていいほどなくなり、逆にOEMという形で車種統一が進んでいるために、代替が進めば進むほど同じ顔のバスばかりになる状況が生まれています。

 したがって、今のバス、とりわけツーステップのバスを記録しておきたい、富士重工ボディや新呉羽ボディ、北村ボディはなおのこと記録をしておきたいという気持ちは強くなる一方です。

 この状況が、ただでなくともサイト開設時と比べればはるかに減少してしまった、趣味に割ける時間の大半を、実車の記録に駆り立てる要因になり、サイト更新の時間を持つことが絶望的な状況になってしまいました。

 


 模型というのは、再現のレベル云々を語る意図は毛頭ないのですが、やはり、実物あっての模型、という面が強いのは否定できない事実でしょう。そうだとすれば、やはり実物の記録というものが後のバス模型趣味には不可欠だと思うのです。2000年以前のバス車両の情報を得る、さかのぼることがまだまだ難しいような現状を見るにつけ、今も記録は続けておかなければいけないな、とつくづく思ってしまうのです。

 ■バスモデルラインナップは爆発的増加

 そして3点目の変化、これこそまさに皆さんも痛感していらっしゃることではないかと思うのですが、バスモデルの選択肢は驚くほど増えました。

 サイトを立ち上げた頃は、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を遂げた「バスコレ」なるものは存在せず、アドウィングや京商のコールドキャスト(ポリストーン)製モデルの黎明期でした。それからというもの、アドウィングはまさに全国津々浦々のバスをくまなくラインナップに加え続け、京商はマスターズコレクションからRCバス、そして150分の1スケールのダイキャストミニカーも市場に投入しました。そしてなんといってもトミーテックの「THEバスコレクション」が、バスモデルの業界地図をまさに塗り替え、怒涛の勢いで、驚くべきハイレベルな仕上がりの製品を続々と投入、そしてこのバスコレも80分の1スケールのシリーズも登場、さらにバスコレをきっかけにした150分の1スケールのコレクタブル製品は「ジオラマコレクション」というシリーズにまで成長し、鉄道、建物、フィギュア、果てには樹木までラインナップに加え、バスという枠を超えたジャンルを築きました。同社からはトミカリミテッドヴィンテージシリーズでも、バスが製品化され、こちらもこれまでのバスミニカーの製品水準を覆すような出来栄えのアイテムが続々登場しています。

 


 

  その他にも、「バスラマ」を出版するぽると出版からも76分の1スケールのダイキャストモデルが続々と登場し、プラモデルメーカーのAOSHIMAからは、バスの大きさを存分に味わえる32分の1スケールという大型のプラモデルが登場、さらに同スケールで走行、ライト点灯、ドア開閉といったスペックを誇るRCも登場しました。新規のメーカーは他にも続き、ワンマイルからは80分の1スケールのダイキャストバスが登場。福岡に本拠地があることから、当然!?西工ボディの車両が製品化されました。プラモデルメーカーのFUJIMIもバスモデルに参入、32分の1スケールのプラモデルで日野セレガ、いすゞガーラなどを発売しました。このほかにもJNMAフェスティバルなどでは北村ボディの通称「なまず」といった大変少数派のバスモデルが、インジェクションキットで発売されたり、トレジャータウンからも150分の1スケールのバスモデルをより楽しむためのパーツが続々発売されています。

 

 

これらのモデルを合計すると、果たして全部で何アイテムになるのか、もはや計算できない、網羅できないほどのアイテムが登場しました。こんな状況は5年前では想像すらつかなかったことです。

 そして以前のコラムで記したとおり、必然的にコアなバスモデルファンでも、モデルを取捨選択して購入せざるを得ないところまできたことは間違いなく、取捨選択をしても、それでも「遊びきれない」「制作、改造しきれない」ほどの量のバスモデルが市場に供給されるようになったことは、皆さんも実感されていることと思います。

 

 この「バスモデルラッシュ」とでも言うべき状況(これまで逆にあまりに製品がなさ過ぎたがゆえに、現在でもバスの模型発売が洪水のように思えるのかもしれませんが・・・)により、改造、加工だけでも時間が足りなくなってしまうため、1個人が運営するサイト運営は、もはや付いていけない状況になってしまった、という面があることも否定できないと思います。例えば、トミーテックのバスコレクションにターゲットを絞ったとしても、満足に改造加工を楽しみつつ、平行してサイトも運営、というのは難しいほどの製品数ではないかと思うのです。

 ■バスを扱うメディアも充実

 そして最後、4点目の変化は、バスをターゲットにしたメディアも確実に増加したという点でしょう。

 かつて、バスを取り扱った比較的メジャーなメディアといえば「バスラマ」そして「バスジャパン」程度でした。この両者、前者は変わることなく発行が続き、後者はバスジャパンハンドブックという形に変化して刊行が続いています。

 

 しかしこの5年の間に、この2誌とは趣を異にした「バス趣味」に特化したメディアが登場しました。1つが「バスマガジン」(講談社)であり、もう1つは「バスホビーガイド」(ネコパブリッシング)、この2つの本は定期的、不定期に発行が続いています。このほかにも、単発のムック本のような形でバスを扱った書籍も発行され、最近ではついにバス趣味をターゲットにしたDVDまで登場しました。

このメディアの増加は、インターネットに依存せざるをえなかったマイノリティー趣味のバス趣味の世界において、インターネットとの相乗効果もあり、バスに関する情報を広く知る機会を増やしてくれたといえると思います。

 中でもバスホビーガイドは、バス模型を明確なメインターゲットにした本であり、まさかこんな本が世の中に出回るとは、5年前では当然全く予想できないことでした。それだけ趣味人口が増え、趣味として成熟してきたことの表れと見ることもできるでしょう。

 幸いなことに、縁あってこのバスホビーガイドには、第3号と4号ではお誘いをいただき、記事を掲載いただきました。インターネットでは出来ない、紙メディアだから出来るような情報発信も、おかげさまですることが出来たのではないかと思っています。模型も増え、メディアも増えバスという対象で、さまざまな楽しみ方ができ、さまざまな活動発表の形も得ることにもなったこと自体は、素直に喜ぶべきことなのかな、と考えています。

 ■この変化の先に・・・インターネットだからできること

 このような変化の真っ只中にいる弊サイト、今後も細々とではありますが、活動は続けていきたいと当然思っています。元々ウェブサイトの名前だったATB  MODELSも、紙媒体にも顔を出させていただきました。1回だけですが、JNMAではバスモデル加工のお手伝いになればと、デカールやステッカーの頒布という、リアルな場にもお邪魔しました。そう考えますと、今後は必ずしもインターネット、ウェブサイトにしがみつかなくてはいけない理由はないのかな、とも思っています。バスモデル工作は紙媒体のご協力もいただいて皆様のお目にかける方法も、一応出来ました(今後もお誘いいただける保障はないのですが・・・)。交流の場はJNMAなどの場をお借りして、リアルにお話をするのが一番楽しいと思います。サイトを通じて、書籍を通じて、新たな交流、同好の士、先輩ともめぐり合うチャンスに恵まれ、情報交換やさまざまな趣味活動を一緒に楽しませていただいています。

 

しかし、最初に記した通り、どうしても「時間」の壁というもの=1日が24時間しかない以上、限られた時間で最大限楽しいホビーライフを送ろうとすれば、ウェブはやはり便利で効果的なツールであることに変わりはないでしょう。離れたところにいる趣味仲間同士が、双方向のコミュニケーションが図れる点、また情報の「速報性」という点でも、他のメディアには敵わない圧倒的なアドバンテージを持っていることに疑いの余地はありません。

 また、紙媒体にも、時間と同じく紙幅という物理的制限があります。したがって例えば模型の製作途中の様子や、ちょっとした工作方法の紹介など、かゆい所に手が届かない、という状況はたびたび起こることです。

 その点でもウェブは容量にゆとりもあり、時間さえあれば(これが大きな問題ではあるのですが・・・)かゆい所に手が届くような情報も発信、共有できるでしょう。

 

 今後も時間が厳しいことにしばらく変わりはない、恐らくいよいよ厳しくなることはあっても事態が好転するとは思えない状況ではありますが、今後はもう少しまめに、ちょっとしたこと、ちょっとした情報、ちょっとしたテクニックなどを、発信していこうかな、と考えています。今までは少々ウェブでの情報発信でも、形や体裁に慎重すぎたかなという気がしています。もう少しラフな体裁でも、情報の発信や共有化という目的自体は達成できる、と思うようになっています。

 今後は、ウェブに活動場所を強く限定しないで、さまざまな形で趣味の交流、情報交換を楽しみたいものです。ウェブはその特性が生かせる部分で活用していき、時には違うところにもATB MODELSが登場することがあってもいいのかな、と考えています。ウェブはあくまで趣味情報を発信、交換、共有するためのツールの選択肢の1つ、という、ある意味至極当然のところに立ち返って、自然体でサイトを続けていきたいと思います。

 模型いじりと写真撮影、本来の趣味を充実させつつ、ホームページ作成は趣味ではなく、趣味を広げる手段でありツールであると考えていますので、ゆとりのあるときにサイト更新なども進めます。サイト更新ができなくとも、ブログ更新、掲示板書き込みなどの方法で、情報交換や交流を広げたいな、と思っています。

 今後も引き続き、ウェブ上、そしてウェブ以外でも、よろしくご愛顧、ご指導のほど、お願い申し上げ、5歳になったATB MODELSをよろしくお願いいたします。